異なる文化の対話

多国籍の団員で構成されるPQVは、異なる文化の対比を主題とした内容のプログラムでコンサートを行っています。個々の出身国の現代作曲家の作品を取り入れ、演劇や文学といった別の分野の芸術と組み合わせることにより、背景にある文化や思想への深い理解を促す取り組みです。また東西の楽曲を一つのコンサートで演奏することにより、対立する考えや共通のテーマを体感しつつ見つけ出す試みでもあります。2016年にはデールングス(チェンバリスト /1943-、スイス)の新作と黛敏郎(1929-1997)の “弦楽四重奏のための前奏曲” をウィーンを代表する、ハイドン(1732-1809)やウェーベルン(1883-1945)の作品とともにヨーロッパ各地、また日本で演奏することになっています。これらのコンサートでは人間が自然から受ける時間的心象が東西の作曲家では違いがあることを追求します。

台湾の伝統楽器と弦楽四重奏の共演

2015年4月、PQVはウィーン国立音楽大学と台湾国立芸術文化財団に招聘され、弦楽四重奏と台湾の民族伝統楽器である琵琶、竹笛、二胡が共演する “ニュー・ピパ・プロジェクト” をウィーン市と台湾でそれぞれ3公演行いました。3人のベテラン作曲家と18人の若い作曲家の手により東西の楽器が響きを一つとする多くの新作が世界初演され、ウィーン公演の模様はインターネットを通して全世界同時中継されました。

ウィーン~四国文化交流

2011年から“ウィーン~四国クラシック音楽交流の会”の招きでPQVは定期的に日本を訪れています。優れた音響を持つ音楽ホールでの本格的なコンサートの傍ら、小中学校、病院、施設を訪れ、PQVの拠点であるウィーンをはじめヨーロッパの国々の文化を紹介する活動を行っています。学校訪問コンサート“音楽で旅するヨーロッパ” はトークをおりまぜた交流コンサートです。音楽の授業等でなじみのある楽曲やモーツアルト、ベートーベン等の芸術作品を、彼らの肖像やヨーロッパの街並みなどを画像で紹介しながら演奏します。また弦楽四重奏曲へ編曲した唱歌や校歌を児童・生徒の皆さんと協演したり、ワークショップでは弦楽器の構造を学び演奏への手ほどきを行うなど回を重ねています。特に四国、香川県で自治体や県民の皆様からの温かい協力を得て設けられた多くの日墺交流の催しの様子をヨーロッパでのコンサート活動の折に伝えています。